【ニュルブルクリンク24時間レース 予選レース / ドイツ・ニュルブルクリンク】

101号車がレース2でトップタイムを刻む速さを見せた予選レース、決勝は惜しくもリタイアで24時間レースでの雪辱を誓う!!

24h Nürburgring Qualifiers Race

開催日 2022年5月6日-8日
開催場所 ニュルブルクリンク
(ドイツ)
天候 Race 1 : 晴れ / Race 2 : 晴れ
路面 Race 1 : ドライ / Race 2 : ドライ
決勝時間 Race 1 : 3時間 / Race 2 : 3時間
(1周=25,378m)

カレンダーは5月に入り、月末の26日から29日にかけては伝統のニュルブルクリンク24時間レースがドイツで開催される。そして、その前哨戦とも言える予選レースが去る6日から8日にかけて開催され、ヨコハマタイヤで戦うヴァルケンホルストモータースポーツも3台のBMW・M4 GT3を擁して参戦した。

既に今シーズンは2大会を消化したNLS(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)に参戦して表彰台も獲得しているヴァルケンホルストだが、24時間レースとおなじADAC(ドイツ自動車連盟)の主催となる予選レースは、24時間レース本戦に向けて重要な一戦となる。フォーマットは金曜日に2時間の予選セッションを2回行った後、レース1に向けたトップ30予選が行われる。そして土曜日に45分間のウォームアップ走行を行った後、3時間のレース1、そして日曜日はトップ予選の後に前日と同じく3時間でレース2を競う、という流れのレースウィークとなる。

ヴァルケンホルストのラインアップは、101号車がクリスチャン・クログネス選手/アンディ・ソウセック選手/サミ-マティ・トロゲン選手で、NLS(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)と変わらぬトリオ。102号車はヨルグ・ミューラー選手/ベン・タック選手に、ヨルン・シュミット-シュターデ選手が加わった。そして100号車はチームオーナーでもあるヘンリー・ヴァルケンホルスト選手を筆頭に、ヨルグ・ブリューワー選手とアンドレアス・ジーグラー選手がステアリングを握る。

7日のレース1、101号車は前日の予選により3番手のスターティンググリッドを獲得した。トップ3をBMW勢が占める結果となったが、NLS(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)の第3戦と同様にヴァルケンホルストもその一角に陣取ったのである。この日は雨の天気予報となっていたが、スタート前に少し降ったものの各車がグリッドにつくころにはあがっており、ウェット宣言は出されていたもののスリックタイヤを装着してスタートを迎えた。

しかし、スタートから我慢の戦いを強いられてしまい、オープニングラップを終えて19番手まで大きく順位を下げてしまう。だが粘りの戦いでラップを重ね、ライトオンとなる終盤のナイトセッションもしっかりと走りきりシングルポジションとなる9位まで挽回してチェッカーを受けた。また、102号車は20位、100号車は25位で、それぞれ完走を果たした。

一夜明けた8日も、朝からスッキリしない空模様に。雨は降っていないものの灰色の雲が上空を覆う中、予選で快走を見せたのは101号車。この予選は各車に最大2周のアタックが設けられたが、中には戦略的にタイヤ温存のため1周のみに留めるチームも。101号車のクログネス選手はしっかりとタイヤに熱が入ったアタックラップ2周目に8分08秒566をマーク、同じBMW・M4 GT3を駆る若手のジュニアチームをおさえて貫祿のポールポジションを獲得した。

そして迎えたレース2、決勝スターティングドライバーをつとめるのはクログネス選手で、自身が獲得したポールポジションからスタートの時を迎えた。果敢に攻めてくる若手をおさえて1コーナーをトップで通過したクログネス選手は、そのままポジションをキープしてオープニングラップを終える。既にこの時点でトップ2台と3位以下は少し間隔が開き、101号車は3番手に対して5秒以上のマージンを得ていた。

このままトップでマシンを引き継いだトロゲン選手、こちらもBMW同士の激しいポジション争いでサイド・バイ・サイドの応酬を繰り広げるなど見せ場を作った。しかしレース中盤、惜しくもクラッシュを喫してリタイア、24時間レース本番で雪辱を誓うこととなった。

一方で100号車は完走を果たしたが102号車も無念のリタイアとなり、こちらも101号車と同様に24時間レースでの巻き返しが期待される。

ENGINEER VOICE

三好雅章 [横浜ゴム タイヤ製品開発本部 MST開発部 技術開発1グループ]

今年は車両が替わったことでフロントのタイヤサイズも昨年とは異なるため、データを集める必要があります。そんな中、NLS(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)の開幕戦から今回の予選レースまでを走り、多くのデータを得て24時間レースの本戦に臨めるかたちとなりました。

今回の予選では101号車がポールポジションを獲得しましたが、ニュルブルクリンクは1周が約25kmと、日本のサーキットの5周分ほどをアタックする必要があります。レース1のトップ予選の結果から、レース2のトップ予選では性能変化が少ない仕様のタイヤに変えることで、高荷重でも性能が良方向となりタイムアップにつながりました。このような結果を出してくれたチームとドライバーに感謝しています。

次は24時間レースの本戦ですが、丸一昼夜を走るので路面温度が日中は40℃近くまであがり、夜間は20℃を下回ることもあるような大きな温度差への対応幅を持たせることをテーマにタイヤを開発しています。今回はレース2の結果こそ残念でしたが、24時間に向けては競争力があることを確認した一方、取り組むべき課題も明確になった一戦でした。

これまでNLSで3位表彰台、今回のポールポジション獲得と、競争力があることは確認出来ています。さらなる良い結果につながるよう、タイヤ選択を含めてチームと情報共有をしっかり行って24時間レースに臨んでいきます。また、24時間のあともNLSのシリーズ戦が続きますので、こちらでも良い結果につなげられるよう、タイヤ開発に取り組んでいきます。

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