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【NLS(ニュルブルクリンク耐久シリーズ) 第3戦 / ドイツ・ニュルブルクリンク】
BMW M4 GT3が表彰台を独占した第3戦、ヴァルケンホルストの34号車がその一角に立って勢いを見せた!!
NLS Round 3
開催日 | 2022年4月23日 |
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開催場所 | ニュルブルクリンク (ドイツ) |
天候 | 晴れ |
路面 | ドライ |
決勝時間 | 4時間 (1周=25,378m) |
NLS(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)の2022年シーズンは3月26日に開幕しているが、4月9日に予定されていた第2戦が猛烈な寒波の襲来によって11月へ順延された。昨年は開幕戦が降雪で中止となったNLSだが、2年続けて天候に翻弄されてしまうかたちに。やや間隔が開いた第3戦は、4月23日に行われた。
現地時間の8時30分から90分間の公式予選、今回も3台のBMW M4 GT3でエントリーしているヴァルケンホルスト・モータースポーツが好走を見せた。4月も後半ということで雪の心配は流石にないものの、午前中は雲が広がり肌寒さを覚えるコンディション。予選開始の時点で気温は9℃と一桁に留まり、路面温度も10℃となっていた(ヨコハマタイヤ調べ)。
そのようなコンディションゆえか、コース上ではアクシデントも多発して各所でイエローフラッグの提示や速度制限がかけられてしまう。思うようにクリアラップをとれない展開となったが、34号車はサミ-マティ・トロゲン選手が7分58秒773と25kmあまりのロングコースでトップと1.678秒という超僅差のタイムを刻んで3番手を獲得した。また、35号車はベン・タック選手が8分00秒824をマーク、こちらは5番手のグリッドから決勝スタートへ臨むこととなった。
予選終了から2時間後の正午に迎える決勝スタートだが、11時にはグリッド試走が始まるので時間の余裕は多くない。さらにその前にはピットウォークやグリッドウォークといったイベントも組まれているので、チームは限られた時間の中で的確にスタートへ向けての最終準備を整えていく。
スタートのステアリングを握るのは、34号車がクリスチャン・クログネス選手、35号車は予選のベストラップを刻んだベン選手。この時点で太陽も顔を見せて気温は14℃、路面温度は17℃に上昇したが、各車はフォーメーションラップで念入りにタイヤへ熱を入れてスタートの時を迎えた。
グリッドのトップ3はBMW M4 GT3が占めていたが、その中で34号車は絶妙なスタートから1コーナーの立ち上がりで44号車をかわして2番手へと浮上。その後、猛追してきた4番手スタートのポルシェに先行を許したものの、3番手のポジションでオープニングラップを終えた。
3周目、こちらもさらなる上位進出の機会を伺っていた35号車だったが、他クラスの車両と接触があり無念のリタイアに。序盤からややレースは荒れた展開となっており、各所でコースオフや接触が多発し、ところによってはイエローフラッグやマーシャルカーの介入による渋滞も発生していたが、35号車も残念ながらアンラッキーな結果となってしまった。
開始から1時間経過を前にして34号車が1回目のピットイン、セカンドスティントはアンディ・ソウセック選手がステアリングを握る。同じようなタイミングで前後のポジションにいた3台もピットへ入ったが、トップの2台はコース上に留まっていた。おおむね60分というスティントでレースを組み立てたヴァルケンホルストは、レースの折り返しとなる2時間のタイミングで2回目のピットイン。この時点でポジションは暫定2番手、ピットインは前を行くBMW M4 GT3の99号車と同じタイミング。34号車はトロゲン選手に交代した。
中盤以降もコース上ではアクシデントが発生する場面が見られたが、34号車は手堅い走りでラップを重ねて残り1時間となったタイミングで3回目のピットイン。クログネス選手が再びコクピットへおさまり、見かけ上の3番手にいたアストンマーティンが残り20分ほどでピットインして3番手に浮上。このままチェッカーまでマシンを運び、BMW M4 GT3による表彰台独占の一角に立ち、2週間後に行われるニュルブルクリンク24時間の予選レースに向けても大いに手応えを掴む結果となった。
ENGINEER VOICE
三好雅章 [横浜ゴム タイヤ製品開発本部 MST開発部 技術開発1グループ]
今回はもう少し暖かくなることもあるかと思っていましたが、おおむね想定通りのコンディションとなりました。ただし、午前中は曇りで風も強く、実際の気温よりも寒さを感じましたね。そんな中での予選は、ほとんどの時間でイエローフラッグが提示されていましたが、チームとドライバーが難しい状況の中でもしっかりとタイムを出してくれて34号車が3番手、35号車も5番手という良い結果を出してくれました。
決勝でも34号車は終盤でファステストラップを刻む速さを見せ、ロングのタイムも悪くなく、競争力があることをあらためて確認出来ました。また、タイヤの使い方の面で良い方向の新しい発見もあり、そこは次に向けてしっかり活かしていこうと思います。
第2戦が寒波により延期されたことで24時間レース前の走行機会が減ったこともあり、5月2週目に行われる予選レースの位置づけがより重要なものになってきています。24時間レースを見据えたタイヤと車両のあわせ込みの場としても、しっかりミス無くサポートして、足元を支えていきたいと思っています。