【SUPER FORMULA 第3戦 / スポーツランドSUGO】

悪天候で決勝レースは赤旗終了、今季2勝目の野尻智紀選手がポイントランキングで単独首位に浮上した!!

SUPER FORMULA Round 3

開催日 2024年6月22日-23日
開催場所 スポーツランドSUGO
(宮城県)
天候 公式予選 : 晴れ
決勝 : 雨
路面 公式予選 : ドライ
決勝 : ウェット
決勝周回数 51周
(1周=3,586m)
※赤旗終了により12周でレース成立
参加台数 21台
※タイヤはヨコハマタイヤのワンメイク

SUPER FORMULA(全日本スーパーフォーミュラ選手権)の第3戦は、九州のオートポリスから一気に日本列島を北上し、宮城県にあるスポーツランドSUGOで開催された。公式予選日の6月22日(土)は、真夏のような陽気の中で昨年のポールポジションタイムを上回る戦いが繰り広げられた。ただ決勝日の23日(日)は、打って変わって朝から雨が降り続く状況となった。

22日の公式予選日、午前中には90分のフリー走行が行われた。残り5分でのアタックシミュレーションでは昨年のSUGO大会でポールポジションを獲得した大湯都史樹選手(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)がトップタイムをマークした。2番手には今シーズンチーム移籍&メーカー移籍をした福住仁嶺選手(Kids com Team KCMG)が続き、3番手には岩佐歩夢選手(TEAM MUGEN)が入った。フリー走行終了時点で気温は30度、路面温度は46度を記録。天気は良く、午後の公式予選はさらに温度が上昇すると予想された。

迎えた公式予選、Q1のA組でトップタイムを奪ったのは野尻智紀選手(TEAM MUGEN)。野尻選手はフリー走行では15番手と振るわなかったが、同じフリー走行で3番手だったチームメイトの岩佐選手のセットアップを参考にし、見事に本番でリカバリーして見せた形だ。2番手には約0.1秒差で坪井翔選手(VANTELIN TEAM TOM’S)が入り、3番手には太田格之進選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が着けた。以下、大湯選手、木村偉織選手(San-Ei Gen with B-MAX)、山下健太選手(KONDO RACING)までの6名がQ2に進出した。

Q1B組は岩佐選手がトップタイムをマークし、TEAM MUGENは2台そろってQ2進出決定。その岩佐選手に1000分の1秒差で迫ったのが、昨年SUGO大会でシーズンベストリザルトを記録した大嶋和也選手(docomo business ROOKIE)。さらに今年の開幕戦ポールシッターの阪口晴南選手(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が3番手に続くと、小高一斗選手(KONDO RACING)、国本雄資選手(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)と2名のドライバーが今シーズン初めてQ1を突破。牧野任祐選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)までの6名がQ2進出を決めた。

Q2ではTEAM MUGENの2台が最速タイムを争った。先にコントロールラインに戻ってきた岩佐選手は1分5秒364で、昨年の予選タイムを上回りトップタイムを記録するが、野尻選手がそれを約0.1秒縮める1分5秒244を記録し、今シーズン初のポールポジションを獲得した。SUGOのコースレコードは1分3秒953で2019年に山本尚貴選手(PONOS NAKAJIMA RACING/当時はDOCOMO TEAM DANDELION RACING)が記録したタイムだが、SF23での最速タイムは昨年の大湯選手のポールポジションタイムで1分5秒468。TEAM MUGENの2台はそれを塗り替えて見せた形だ。3位には坪井選手が入り、以下、牧野選手、大湯選手、山下選手というトップ6となった。

一夜明けたSUGOは朝からどんよりとした雲が上空を覆い、しとしとと冷たい雨が降っていた。雨が小康状態になると今度は霧が出てくるといった芳しくないコンディション。

SUPER FORMULAは決勝レースを前に9時55分から30分間のフリー走行が設けられたが、開始5分ほどたったところで岩佐選手がホームストレート上でスピン。ピットウォールにホイールをぶつけてしまい、そのまま車両がコース上にストップしてしまった。車両のダメージは軽傷ですぐにガレージに戻されたものの、コースコンディションと天候が不安定だったことから、セッションはこの赤旗をもって終了に。その後タイムスケジュールが変更され、当初8分間だった決勝直前のウォームアップ走行が20分間に延長されることとなった。

しかし、ウォームアップ走行でも山本選手がコースインした周の最終コーナーでスピンし、ガードレールにぶつかってしまいセッションは赤旗中断。ドライバーの無事が確認されたが、ガードレールの修復に時間がかかるため、レースの進行は遅れることになる。

赤旗中断となってから約1時間後の14時40分にレースコントロールからアナウンスされたのは、ウォームアップ走行の再開はなく、15時から決勝レース前に自身のピットからコースインしたマシンがコースを1周し、グリッドに着くまでの走行できるレコノサンスラップを設けるというもの。これでドライバーたちはグリッドへの試走の際に、ピットロードを通過することで1~2周を下見走行できるようになった。

決勝レースのスタートは15時35分。直前に霧が濃くなってきたことからSC先導のもとでのレーススタートとなった。5周のSCランを終えて、レーシングスピードに戻ったのは6周目。トップの野尻選手から3番手の坪井選手まではほぼ等間隔で1コーナーを通過。その後方で大湯選手と山下選手が接近し、ここからバトルが始まるかに思われたが、最終コーナーで大嶋選手がクラッシュしたことからSCボードが提示され、7周目に入るところから再びSCランとなる。

2度目のSCランを終えて、13周目から再スタートとなった。3コーナーで3番手の坪井選手が2番手の岩佐選手に近づき、バックストレートエンドで並びかけていく。岩佐選手は滑りやすい路面で不安定になりながらもなんとかラインをふさいで坪井の猛攻をしのいで2番手をキープ。そのまま最終コーナーへと入っていった。

背後の2台がバトルしていることでいくらかマージンを作ることに成功した野尻選手がトップで14周目に突入。岩佐選手、坪井選手と次々に14周目に入っていくが、その後方で阪口選手が最終コーナーでクラッシュ。レースは赤旗が提示され、いったん中断することとなった。

その後の協議により、ガードレールの修復が必要であることに加え天候や路面状況の回復も見込めないことから、レースはここで中止されることになった。最終結果は規則により赤旗提示時点で先頭車両が消化していた13周の1周前の時点の順位で確定され、野尻選手が優勝。2位に岩佐選手、3位に坪井選手という結果になった。レース距離の70%を消化していないことから、シリーズポイントは半分が与えられることになり、野尻選手はこれで10ポイントを獲得。3戦を終えてランキング単独トップに浮上した。

Text : 浅見理美(Satomi Asami)
Photo : 小笠原貴士(Takashi Ogasawara) / 佐々木純也(Junya Sasaki)

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