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【NLS(Nürburgring Langstrecken-Serie) 第3戦 / ドイツ・ニュルブルクリンク】
2台体制で参戦したTeam ADVAN×HRT、揃って完走を果たし6号車が3位表彰台を獲得した!!
NLS Round 3
開催日 | 2024年6月22日 |
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開催場所 | ニュルブルクリンク (ドイツ) |
天候 | 公式予選 : 曇り 決勝 : 曇り |
路面 | 公式予選 : ドライ 決勝 : ドライ |
決勝時間 | 4時間 (1周=24,358m) |
濃霧の影響によって長い中断から短縮開催となった24時間レースが終わって、三週間が経ったドイツ・ニュルブルクリンク。6月22日(土)にNLS(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)の第3戦が開催され、再びアイフェルの森にレーシングマシンのエギソーズトノートが轟く週末を迎えた。
開幕戦からメルセデス-AMG GT3で参戦している「Team ADVAN×HRT」、これまではSP9 Pro-Amクラスに1台のエントリーだったが、今回は2台体制でSP9 Proクラスへの参戦となった。従来のゼッケン6に、同じメルセデス-AMG GT3でゼッケン9をつけるマシンを加え、これらの走りを足元で支えるのはもちろんヨコハマタイヤの「ADVAN」レーシングタイヤ。ゼッケン6は開幕からの2戦と4月に開催された24時間予選レースの2戦、これらの全てにおいてSP9 Pro-Amクラスの優勝を独占しており、SP9 Proクラスでも上位獲得が期待される。
ドライバーは、6号車がチームオーナーでもあるフーバート・ハウプト選手を筆頭に、今回初めてヨコハマタイヤで参戦するユスフ・オウェガ選手とアルジュン・マイニ選手というラインアップ。マイニ選手はインド出身の26歳で、Haupt Racingの一員として24時間レースやドイツツーリングカー選手権などに参戦している。
一方、今回から加わった9号車は開幕戦から6号車のステアリングを握ってきたデニス・フェッツアー選手、24時間レースで6号車を駆ったサルマン・オウェガ選手、そして新たに22歳のデビッド・シューマッハ選手が加わった。シューマッハ選手は元F1ドライバーのラルフ・シューマッハ氏の息子であり、F1世界選手権のチャンピオンに7回輝いたミハエル・シューマッハ氏の甥という“サラブレッド”である。
現地時間の22日・午前8時30分から公式予選が開始される予定であったが、アイフェルの森に棲む魔物の悪戯か24時間レースを思い出させるような濃い霧がコースを包み込んでいた。このためセッションは順延され、10時15分のコースオープンとなることがアナウンスされた。
90分から60分に短縮されての開催となった公式予選、「Team ADVAN×HRT」の2台はマシンのチェックを主なテーマとしてコースイン。6号車はハウプト選手が9分02秒549、9号車はオウェガ選手が9分03秒142のベストタイムを残し、SP9クラスの6番手と7番手というポジションになった。
タイムスケジュールは決勝も変更され、4時間の戦いであることは予定通りだがスタート時刻は予定の45分遅れとなる12時45分とされた。幸いにコンディションは回復し、太陽こそ顔を見せなかったもののクリアな視界の下、ドライコンディションでスタートを迎えることが叶った。
6号車はマイニ選手がスタートドライバー、スターティンググリッドはクラス6番手だが他クラスのマシンが多く前方に陣取っており、総合では14番手からのスタートとなっていた。そしてマイニ選手が序盤からプッシュ、オープニングラップで7台をかわして総合7番手/クラス5番手へと浮上した。さらに翌周には、予選トップから順位を落としていた5号車のポルシェをかわし、クラス4番手に躍進を果たす。
一方の9号車はシューマッハ選手が駆るも、集団の中からなかなか抜け出せず序盤は堅実な走りで周回を重ねて行った。そして確実なチャンスは逃さず先行車をかわしていき、4周を終えてクラス6番手にポジションをアップ。開始1時間を待たずしてコース内ではクラッシュの発生もあったが、「Team ADVAN×HRT」の2台は危なげ無い走りでファーストスティントを完了した。
スタートから50分を経過して、6号車がトップツーの2台と同じタイミングで1回目のピットイン。ステアリングは引き続きマイニ選手が握り、2スティント連続での走行となる。一方の9号車は7周を終えてピットイン、こちらはドライバーをオウェガ選手に交代してコースへと復帰した。
マイニ選手はセカンドスティントでも好走を披露、11周を終えて1.485秒差へと迫った4号車のポルシェを射程圏内にとらえた。パッシングを浴びせてプレッシャーをかけつつ距離を詰めていき、鮮やかに先行して3番手に浮上。これで表彰台圏内へと、ポジションアップを果たした。
13周目に6号車、そしてさき程かわした4号車がピットイン。6号車はハウプト選手に交代し、一旦は4号車の先行を許すも22周目からの最終スティントを担当したオウェガ選手が26周目にトラブルで止まった4号車を横目に3位に返り咲き。そのままチェッカーまでマシンを運び、総合3位の表彰台を獲得した。また、6号車は5周目にマイニ選手が7分57秒104のファステストラップをマーク、レースラップでは2番手を2秒以上上回る圧倒的な速さを見せつけた。
また9号車もレース後半をフェッツァー選手が2スティント連続で走行し、5位完走を果たすことに成功した。
Text : 斉藤武浩(Takehiro Saito / office North-Star)