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【ニュルブルクリンク24時間 Qualifiers Race1 / ドイツ・ニュルブルクリンク】
24時間レース本番を一ヶ月半後に控えて行われた予選レース(Qualifiers)、ナイトセッションも含まれるレース1で「Team ADVAN × HRT」はSP9 Pro-Amクラスの後続を寄せつけない強さで勝利を飾った!!
24h Nürburgring Qualifiers Race1
開催日 | 2024年4月13日 |
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開催場所 | ニュルブルクリンク (ドイツ) |
天候 | 公式予選 : 晴れ 決勝 : 晴れ のち 曇り |
路面 | 公式予選 : ドライ 決勝 : ドライ |
決勝時間 | 4時間 (1周=25,378m) |
世界中のレーシングドライバーを魅了してやまないニュルブルクリンク24時間レースは、今年も6月1日(土)から2日(日)にかけて決勝が行われる。この大舞台を控えたニュルブルクリンクでは、4月13日(土)と14日(日)に予選レース(Qualifiers)がスケジューリングされており、13日にはレース1が開催された。
翌14日のレース2ともども4時間で競われるフォーマットで、今年はNLS(Nürburgring Langstrecken-Serie)のシリーズにもカウントされる。同じ4時間の耐久でも開催される時間帯は両日で異なり、レース1は17時30分にスタートして21時30分にチェッカーというナイトセクションを含んだ戦いとなる。
24時間レースに参戦するチームにとっては、本番前の貴重なノルドシュライフェを走行できる機会。そのような背景から、最高峰のSP9クラスには27台のエントリーとなった。
そのうちの1台が、ヨコハマタイヤとHaupt Racing Teamのパートナーシップで、NLSにも参戦する「Team ADVAN × HRT」。FIA GT3規格のメルセデス-AMG GT3は、先に開催されたNLSの開幕ダブルヘッダーでも随所で速さを見せて高い存在感を示している。
SP9クラスはドライバーのラインアップによりさらに3つにわかれるが、「Team ADVAN × HRT」はプロフェッショナルとジェントルマンの混成となるSP9 Pro-Amクラスでの参戦。SP9クラス全体で27台のうち、Pro-Amクラスには7台のエントリーとなっており、その車種はメルセデス-AMG GT3のほかポルシェ・911 GT3R、アウディ・R8 LMS GT3 evo II、アストンマーティン・ヴァンテージ AMR GT3 Eという多彩な顔ぶれが揃った。
ドライバーは最大4名を登録出来るが、「Team ADVAN × HRT」は3人で4時間の戦いに挑む。チームオーナーでもあるフーバート・ハウプト選手と22歳のデニス・フェッツァー選手は先に開催されたNLS開幕戦に続いてステアリングを握る。そして今回はサルマン・オウェガ選手が加わるが、こちらも期待の若手である。
決勝レースに先立ち、10時から2時間の公式予選が行われた。このセッションで「Team ADVAN × HRT」は4周のアタックを行い、フェッツァー選手が8分25秒714のベストタイムをマークして、総合21番手/SP9クラス20番手となる決勝スターティンググリッドを獲得した。
今回の決勝はスタートが17時30分、レース後半には日が暮れてナイトセッションの中でチェッカーという流れになる。16時40分にピット出口が開放され、各車はスターティンググリッドへマシンを進めていく。17時の気温は19℃、天候は晴れで路面はドライコンディション、予報ではこのままフィニッシュまで雨の心配は無さそうだ。
一周のフォーメーションラップを経て、予定通り17時30分に4時間の決勝レースがスタート。SP9 Proクラスの1台がフォーメーション終了後にピットインしたことで「Team ADVAN × HRT」はひとつポジションをアップ、SP9クラス19番手でオープニングラップを終えた。
スタートドライバーをつとめるハウプト選手は4周目に8分22秒261で自己ベストタイムを更新、スタートから1時間を経過するタイミングとなった7周を終えてピットへ入る。ルーティン作業を迅速にこなし、4分のピットタイムでドライバーはオウェガ選手に交代、ライバルの中にはタイヤを壊してスロー走行を強いられるケースも見られる中、オウェガ選手は堅実な走りで周回を重ねていく。
レースの折り返しとなる2時間前後でSP9勢は続々と2回目のピットイン、オウェガ選手はSP9 Pro-Amクラスで上位を競っている24号車(ポルシェ・911 GT3R)や50号車(アウディ・R8 LMS GT3 evo II)から1周後の15周を終えたタイミングで入ってきた。ステアリングをフェッツァー選手にリレーしたオウェガ選手はインタビューに「今回がこのコースでFIA GT3での初スティントでした。それは息をのむようなもので、乗れたことは光栄ですし、次回も楽しみです。この週末は24時間レースに向けたデータを収集し、タイヤをさらに進化させることに集中します」とコメントした。
レースは後半に入り、20時34分の日没を迎えた。各車が放つヘッドライトの青白い閃光、そして赤いテールライトの軌跡がアイフェルの森を照らしていく。そして闇の中には“魔物”が棲んでいると言われるニュルブルクリンク、後半に入ってコース上ではいくつかのアクシデントも発生して速度制限区間も散見されるようになってきた。
日が暮れて気温も冷え込み、ピットはもちろんコースサイドで戦いを見守る観客も多くが厚手の上着を着込み始めた。フェッツァー選手は3時間経過となる21周目に、この周回でSP9勢では2番手となるラップタイムを刻み、順調な走りで20時57分に23周を終えてピットイン。ルーティンワークをこなし、最終スティントも引き続きフェッツァー選手がドライブ、最後まで安定した走りでチェッカーを受けてSP9 Pro-Amクラスで2番手を周回遅れとする強さで優勝を飾った。
Text : 斉藤武浩(Takehiro Saito / office North-Star)