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【ニュルブルクリンク24時間レース (Qualifying 3 & Top Qualifying) / ドイツ・ニュルブルクリンク】
トップ予選で激しいクラッシュを喫してダメージを受けた102号車、決勝出走に向けて総力を挙げた修復作業が進められている
24h Nürburgring Qualifying 3 & Top Qualifying
開催日 | 2023年5月19日 |
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開催場所 | ニュルブルクリンク (ドイツ) |
天候 | Qualifying 3 : 晴れ Top Qualifying : 晴れ |
路面 | Qualifying 3 : ドライ Top Qualifying : ドライ |
まるで晩秋のような低気温の昨日から一転し、一気に初夏の兆しが伺えた5月19日(金)のドイツ・ニュルブルクリンク。明け方の気温こそ3℃と低かったものの、湿気のない爽やかな晴天に、そよぐ風が心地よく感じる中、第3予選が行われる13時15分には15℃まで上昇した。
まだ予選日だというのに、予選3回目がスタートする頃にはノルドシュライフェはもちろんの事、グランドスタンドもほぼ満員となる大勢のファンが集った。昨日に続き、パドックも数多くのファンで溢れ返り、歩くのも困難なほどに混雑をしている。
ヨコハマタイヤを装着する、SP9プロアマクラスの100号車(ヘンリー・ヴァルケンホルスト選手/ヨルグ・ブリューワー選手/クリスチャン・ボルラート選手/サミ-マティ・トロゲン選手)のBMW・M4 GT3は、このニュルブルクリンク24時間レースを迎える前に、トップ予選への出場権を得ているだけに、それに向けてのセットアップの最終調整となった。
昨日の2回に加えて金曜の1回と、予選は3回が行われるニュルブルクリンク24時間レース。その後にSP9クラスはトップ予選が行われるが、そこには既に開催されたNLS(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)の開幕3戦と、4月に開催された予選レースの戦績で既に13台が進出を決めている。残る出走枠にはこのニュルブルクリンク24時間レースの1回目~3回目の予選成績によりSP9クラスからは上位6台のみが出場できるとあり、この予選3回目で6位以内にランクインしなければ、必然的に土曜日の決勝レースのスタートポジションは21番手以降となる事が確定する。
100号車に続き、101号車(クリスチャン・クログネス選手/ヤコブ・ギエルマジアック選手/イエッセ・クローン選手/アンディ・ソウセック選手)と102号車(トーマス・ノイバウワー選手/イェンス・クリングマン選手/ジェイク・デニス選手/クリスチャン・クログネス選手)もトップ予選進出を何としてでも決めたいところだ。
前日行われた2回の予選よりも気温が上昇し、路面コンディションも変わった金曜日。予選3回目ではタイヤにトラブルが生じるライバル勢も多く、荒れた予選となった。
ヨコハマタイヤを装着するヴァルケンホルスト・モータースポーツの3台のBMW・M4 GT3もタイムが伸び悩んだが、トップ予選への進出は3回の予選におけるベストタイムから算出され、101号車と102号車も権利を獲得して胸を撫でおろした。
アウトラップに2ラップを加えた、タイムアタックで競うトップ予選。いかにアウトラップで迅速にタイヤの温度をベストなコンディションへ持って行けるかも、ドライバーの腕に掛かっている。
トップ予選1は18台のSP9クラスのGT3とSP-Xの2台のGT2マシンの合計20台がトップ予選2の5台の枠への勝ち残りを目指してタイムアタックに挑む。ヴァルケンホルスト・モータースポーツからは、101号車はクローン選手、102号車はクログネス選手がチームやファンの期待を背負ってステアリングを担った。
しかし、トップ予選1で予想もしないアクシデントが発生してしまった。
先頭を走行中のライバル車が、アウトラップを経てタイムアタックに入った際にレコードラインを逸れた事で、ハッツェンバッハでは路面にダストが大量に乗ってしまった。これによって次々と後続車がコントロールを失い、姿勢を乱すような状況が続いてしまう。
そこへアタックに入った102号車のクログネスがやって来たが、コーナー入口でその汚れに載ってしまった上にアンダーステアでコントロールを失い、タイヤバリアへ運転席側から激しく衝突し、マシンを大きく破損してしまった。
このクラッシュによりオイルがコース上に撒き散らされた上、タイヤバリアも大きく破損した為、赤旗が提示されてトップ予選1はコース復旧のため中断となった。
クログネス選手の意識はしっかりしていたが、念の為にメディカルセンターへ救急搬送された。医師によってチェックを受けたところ怪我はなく、ピットへ自ら歩いて戻ってきて、チーム一同がホッと胸を撫でおろした。「突如フロントタイヤのグリップを失ってしまいました」とし、フィジカル面は問題なかったものの、メンタル面でダメージを受けている事をクログネス選手はコメントしている。
現地時間18時30分に再び仕切り直しとなり、クログネス選手の102号車以外の19台が再びスタートグリッドへ並んで、トップ予選1が再開した。タイヤやドライバーチェンジは認められておらず、赤旗で中断する以前のコンディションのままで、リスタートなる。
このトップ予選1からはわずか上位5台のみが、トップ予選2へ進出が可能となる事からひとつのミスさえも大きな影響を与えるのだ。突然のクラッシュに見舞われた102号車のクログネス選手の為にも、次の101号車のクローン選手はトップ予選2への進出を願うも、トップでゴールをした16号車のアウディR8 LMS GT3と7.549差の8分17秒595、13位でチェッカーフラッグを受け、次への進出は願わなかった。
ポールポジションをかけたトップ予選2に、ヴァルケンホルスト・モータースポーツから出走を果たしたのは100号車。現地時間19時10分から始まったトップ予選2、上空には雲がではじめた事もあり肌寒く感じるも、気温にさほど変化はない。トロゲン選手の駆る100号車は、さきほどのアクシデントによるオイル痕に対して慎重にマシンをコントロール。出走しているライバルの大半が大手自動車メーカーの強豪ファクトリードライバーという中、トロゲン選手は自己ベストタイムを更新するなど健闘し、8分17秒297をマークして19位でトップ予選2を終了した。
予期せぬアクシデントでマシンが激しく損傷した102号車のBMW M4 GT3は、何としてでも明日の決勝レースのスタートグリッドへチームメイトの2台と一緒に並ばせてみせる、と、ヴァルケンホルスト・モータースポーツとBMWモータースポーツが、一丸となって夜を徹してマシンの修復に取り掛かった。
ヨコハマタイヤを装着する3台のBMW・M4 GT3にとっては厳しい結果となったが、土曜日の現地時間16時にスタートする決勝は丸一昼夜を走る24時間の耐久レース。挽回するチャンスは十分にあるだけに、チーム一丸となっての挑戦には、期待が高まるところだ。
Driver’s Voice
イエッセ・クローン 選手 [BMW M4 GT3 (101号車) SP9 PROクラス]
トップ予選2への進出を目指していましたが、トップ予選1ではとてもマシンとタイヤのコンディションは良かったもののスピードに欠けており、残念ながらその願いは叶わず必ずしも私たちが望む結果にはなりませんでした。
予選1でチームメイトのクログネス選手がドライブする102号車がクラッシュしたと聞き、2台が同じようになる事は避けようという結論になり、慎重にドライブした結果、若干妥協をせざるを得ませんでした。
明日の決勝では勝利に向けて更に力強く、また可能な限りできる事は全力で挑みたいと思います。タイヤのパフォーマンスレベルは非常によく、ヨコハマタイヤのスタッフがレースウィークを迎えるにあたり、素晴らしいタイヤの準備をしてくれてとても心強く思います。どのコンディションにも高いパフォーマンスレベルを保つタイヤとマシンのバランスもよいだけに、明日の決勝レースを迎えるのをとても楽しみにしています。