【SUPER FORMULA 第5戦 / スポーツランドSUGO】

序盤の連続セーフティカー導入で時間制レースになったSUGOラウンド、サッシャ・フェネストラズ選手がSUPER FORMULA初優勝を飾った!!

SUPER FORMULA Round 5

開催日 2022年6月18日-19日
開催場所 スポーツランドSUGO
(宮城県)
天候 晴れ
路面 ドライ
決勝距離 49周
(1周=3,586m)
参加台数 21台
※タイヤはヨコハマタイヤのワンメイク

2022年の「SUPER FORMULA(全日本スーパーフォーミュラ選手権)」第5戦がスポーツランドSUGOで開催。全10戦で争われる今シーズンの前半戦最後のレースで、参戦3年目となるサッシャ・フェネストラズ選手(KONDO RACING)が嬉しい国内トップフォーミュラでの初優勝を飾った。

SUPER FORMULAは前戦のオートポリス大会から一気に戦いの舞台を北上させ、宮城県にあるスポーツランドSUGOへ。大会開催週の半ばに梅雨入り宣言がなされた東北地方だが、レースウィークは設営日となる金曜日の午前中にまとまった雨が降っただけで、まるでいきなり夏へ突入したかのような暑さとなった。

公式予選を前に行われたフリー走行は、途中で計時システムがリセットされてしまうという珍しいトラブルが発生し、終盤に赤旗中断。セッションの最後に行う予選アタックシミュレーションに影響があったドライバーもいた様子で、早速「SUGOの魔物」が登場した形だ。最終的には残り時間を10分に延長してセッションが再開され、ポイントリーダーの野尻智紀選手(TEAM MUGEN)がトップタイムを奪取し好調さをうかがわせた。

公式予選では、その野尻選手が速さを発揮する。Q1は牧野任祐選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、国本雄資選手(KCMG)の2名に続く3番手タイムに留まったものの、その時のタイムである1分5秒015をQ2で大きく更新。1分4秒349をマークし、2番手のフェネストラズ選手に対し0.357秒という差をつけて4戦連続のポールポジションを獲得した。特にコース後半区間での速さが際立ち、馬の背コーナーからSPイン~アウトへと続くセクター3ではただ一人13秒台にタイムを入れ、最終コーナーを駆け上がるセクター4もQ2進出メンバーの中で最速タイムを記録。

記者会見では「レース人生の中でもかなり上位に入るクルマの仕上がりだった」と予選時のパフォーマンスを振り返ったが、それを結果でも見事に証明した。2位のフェネストラズ選手はSUPER FORMULAデビューレースだった2020年の開幕戦以来となる自己ベストタイグリッドを獲得。3位の大津弘樹選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は今季の予選ベストリザルトとなった。

決勝レースは、気温28度、路面温度43度というコンディションでスタート。ポールシッターの野尻選手を抜群の蹴り出しでかわし、先頭で1コーナーに飛び込んで行ったのはフェネストラズ選手だった。さらに5番手スタートの大湯都史樹選手(TCS NAKAJIMA RACING)が好スタートで2台をかわし3番手に浮上する。しかし後方で、フェネストラズ選手のチームメイトである山下健太選手(KONDO RACING)が山本尚貴選手(TCS NAKAJIMA RACING)と接触し1コーナーでスピン。そのままコースサイドの芝生にストップしてしまう。これにより、レースはオープニングラップからセーフティカー(SC)が導入されることになった。

山下選手のマシンが回収され、レースは8周目にリ・スタートを迎えたが、その直後に今度は松下信治選手(B-Max Racing Team)が1コーナーでコースアウト。ブレーキトラブルが原因のようで、スピードを落とすことなくタイヤバリアにヒットしてしまった。幸い、ドライバーに大きなダメージはなかったものの、レースは再びSC導入に。SC先導中にタイヤ交換可能なピットウィンドウが開き、10周を終えるところで続々とマシンがピットインしていく。

上位陣は、フェネストラズ選手が先頭をキープしたままでコースに復帰。それに続いたのはピット作業で野尻選手を逆転した大湯選手だった。ここでのピットインを選択せずステイアウトしたのは、予選4番手からスタートし序盤を5位で走行していた宮田莉朋選手(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)。予選で失速してしまい16番手スタートだった平川亮選手(carenex TEAM IMPUL)もステイアウトで3番手につけた。

松下選手のマシン回収が終わり、再度リ・スタートが切られたのは15周目。先頭に立った宮田選手はクリーンエアの中で一気にプッシュし、暫定8番手のフェネストラズ選手との差を広げにかかる。17周目には9秒だった両者の差は、翌周には10.2秒に開き、さらに11秒、13秒とどんどん広がっていった。タイヤ交換作業とピットロード通過時間を含めると、30秒以上のマージンを持っておきたい宮田選手は、1分8秒台の速いラップタイムを連発して順調にフェネストラズ選手との差を広げていった。

しかし、スタート直後から15周もの間SCランが続いたことから、レースは当初の周回数を走り切るよりも先にレース最大時間に到達することが判明する。残り時間が14分を切った38周目、ステイアウト組の中からまずは4番手を走行していたジュリアーノ・アレジ選手(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)がピットイン。これを皮切りに、翌周には平川選手、41周目には関口雄飛選手(carenex TEAM IMPUL)と続々とタイヤ交換に向かっていく。

そのたびに、フェネストラズ選手は一つずつポジションアップ。46周を終えるところで宮田選手と小林可夢偉選手がピットインし、これでフェネストラズ選手は首位に返り咲くことになった。宮田選手は、ピット作業で右リヤタイヤの交換に少し時間がかかってしまい、暫定6番手でコース復帰。フレッシュタイヤでの追い上げに期待がかかったが、ここからの挽回は難しく、結果的に6位入賞でレースを終えることになる。

トップに戻ってきたフェネストラズ選手は、残り3周を安定したラップで走り切りトップチェッカー。2020年のSUPER FORMULAデビューから3年目で、嬉しい初優勝を飾った。KONDO RACINGにとっても2019年の第6戦以来となる、約3年ぶりの勝利。パルクフェルメでは近藤真彦監督が満面の笑顔でフェネストラズ選手を出迎えた。

2位の大湯選手は今シーズン初表彰台を獲得。3位には野尻選手が入った。4位の牧野選手はステイアウト組の最上位で、最終ラップは野尻選手に0.1秒差まで詰め寄った。5位は大津選手、6位は宮田選手が入り、ル・マン24時間からの凱旋レースだった平川選手は7位入賞。29周目のタイヤ交換後は、フレッシュタイヤを武器に次々と1コーナーでオーバーテイクシーンを披露してポイント獲得を果たした。

Driver’s Voice

サッシャ・フェネストラズ 選手 (KONDO RACING)

【今回の成績 : 優勝】

去年はコロナ禍で来日もままならず、ようやく終盤の数戦に出られたという状況でした。2020年もいい成績が出せていなかったので、今日の結果は本当に、本当にうれしいです。いいスタートが切れたことと、何よりも、一番重要だと思っていたタイヤマネージメントもうまくいきました。終盤はレースに集中するため、チームにも無線で話しかけないようお願いしましたが、それぐらい集中しました。

Engineer’s Voice

坂入将太 [横浜ゴム タイヤ製品開発本部 MST開発部 技術開発2グループ]

今回のレースは序盤にSCが2回入ったことで、ガソリン搭載量が多くマシンが重い序盤の10数周をレーススピードで走っていない分、タイヤの摩耗も通常より少ない状態でレースができていたのではないかと思います。なかなかポジションの入れ替わりが少ない展開でしたが、終盤のタイヤ交換でフレッシュタイヤと(ガソリンが減って)軽いマシンという2つの武器を持って追い上げるマシンがあったり、先にタイヤを交換するか、終盤に交換するか、その戦略の違いなどは面白かったのではないでしょうか。

次戦の舞台は、開幕戦でも走った富士スピードウェイとなります。ハイスピードのコースで、開幕戦とは違って真夏の大会になりますから、タイヤに厳しい戦いになると予想していますが、今季のタイヤで2回目の富士大会ですから、富士でのタイヤの使い方などの理解も進み、各チームともセットアップなどはだいぶ煮詰めてきていると思うので、そのあたりで面白い戦いになることを期待したいです。

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サッシャ・フェネストラズ 選手 (KONDO RACING)

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2022 SUPER FORMULA 第5戦

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抜群のスタートでトップを奪ったサッシャ・フェネストラズ選手

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決勝はセーフティカーが2回導入される展開になった

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第5戦 優勝|サッシャ・フェネストラズ 選手 (KONDO RACING)

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第5戦 準優勝|大湯都史樹 選手 (TCS NAKAJIMA RACING)

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第5戦 3位|野尻智紀 選手 (TEAM MUGEN)

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第5戦の表彰台

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第5戦の表彰台

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公式予選 1位|野尻智紀 選手 (TEAM MUGEN)

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公式予選 1位|野尻智紀 選手 (TEAM MUGEN)

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