【SUPER FORMULA 第1戦 / 富士スピードウェイ】

国内最高峰フォーミュラの開幕は1大会2レース制、実力者同士の戦いを制した平川亮選手がシーズンインを勝利で飾った!!

SUPER FORMULA Round 1

開催日 2022年4月9日
開催場所 富士スピードウェイ
(静岡県)
天候 晴れ
路面 ドライ
決勝距離 41周
(1周=4,563m)
参加台数 21台
※タイヤはヨコハマタイヤのワンメイク

7大会で10レースを行う2022年の「SUPER FORMULA(全日本スーパーフォーミュラ選手権)」。その開幕大会は4月9日(土)に第1戦の予選と決勝を、10日(日)に第2戦の予選と決勝を行う2レース制で行われた。21名のトップドライバーが臨んだシーズン開幕戦で、平川亮選手(carenex TEAM IMPUL)が予選3位から実に2年ぶりとなるSUPER FORMULAでの勝利を飾った。

今シーズンはHONDAエンジンユーザーが6チーム10台、TOYOTAエンジンユーザーが6チーム11台、計21名のドライバーが国内トップフォーミュラでしのぎを削り合う。昨年の王者、野尻智紀選手(TEAM MUGEN)に挑むのは、関口雄飛選手(carenex TEAM IMPUL)や平川選手、山本尚貴選手(TCS NAKAJIMA RACING)といった実力派の他、佐藤蓮選手(TEAM GOH)、三宅淳嗣選手(TEAM GOH)という全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権からステップアップしてきた若手や、ジュリアーノ・アレジ選手(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、笹原右京選手(TEAM MUGEN)といったフル参戦デビューとなる顔ぶれだ。

9日の9時30分から、公式予選がスタート。昨年までは3段階で行われていたノックアウト方式の予選だが、今シーズンはQ1、Q2の2段階へと変更された。その分、Q1からQ2へ向かう戦いも激しさを増すことに。

まず行われたQ1のA組には、野尻選手や関口選手、開幕前の公式テストで復調の兆しを見せていた山下健太選手(KONDO RACING)らが出走した。その中でトップタイムをマークしたのは、ルーキーの佐藤選手。2番手の野尻選手に対して0.2秒差の1分21秒675をマークし、堂々のトップ通過を果たした。続くB組では、サッシャ・フェネストラズ選手(KONDO RACING)がトップに。笹原選手、平川選手に続き、こちらもルーキーで佐藤選手とチームメイトの三宅選手が4番手通過。新規チームとして、ルーキードライバー2人を擁するTEAM GOHが注目を集めるセッションとなった。

続くQ2でも、新勢力がその輝きを見せる。「Q1がB組だったので、Q2に向けたアジャストは比較的しやすかったですね」と話す笹原選手が早めのアタックで1分21秒404をマークし、自身初のポールポジションを獲得。佐藤選手が0.264秒差で2番手につけ、若手2人がフロントローに並ぶこととなった。その2人を背後から狙うかのように、平川選手が3番手、宮田莉朋選手(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)が4番手に。フェネストラズ選手が5番手、野尻選手が6番手に収まった。

わずか4時間のインターバルを経て、決勝レースがスタート。気温は23度、路面温度は30度まで上昇し、初夏を思わせる陽気のなか、笹原選手を先頭にフォーメーションラップが進んでいく。フロントローに並ぶ2台の蹴り出しに注目が集まったが、なんと笹原選手が痛恨のエンジンストール。佐藤選手も「笹原選手を意識しすぎてしまって」と出遅れ、1コーナーを制したのは平川選手だった。

2台が出遅れたことで後続の集団は混乱。コカ・コーラコーナーではアレジ選手と福住仁嶺選手(ThreeBond Drago CORSE)が接触し、福住選手はタイヤにダメージを負い戦列を離れることに。またその先でも挽回に息巻く佐藤選手と大津弘樹選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が接触し、佐藤選手がスピン。随所でバトルやアクシデントが巻き起こる中、ベテランの山本選手や、最後尾スタートとなった大湯都史樹選手(TCS NAKAJIMA RACING)らの大幅ポジションアップなど、目が追い付かないほど多くの出来事が起きる序盤戦となった。

トップ争いは、平川選手とフェネストラズ選手の一騎打ち状態。序盤のペースが良かったフェネストラズ選手は6周目に入るホームストレートでオーバーテイクシステムに手をかけ、1コーナーで一気に平川選手をかわしトップに躍り出る。ただし平川選手も負けじと食らいつき、14周目のホームストレートでインからフェネストラズ選手に並びかけ、1コーナーで再逆転。フェネストラズ選手もコカ・コーラコーナーまで奮戦するが、これをしのぎ切った平川選手が後続との差をじわじわと広げていった。

上位2台が争っている間に、中団ではピットインを含めた戦略を使ってポジションアップを狙うドライバーたちが現れ始める。ピットウィンドウが開いた10周目にタイヤ交換に向かったのは、予選順位から1ポジションアップを果たしていた野尻選手。前方の宮田選手との接近戦が続いていた野尻選手だが、なかなか突破口が開けず、クリアスペースも狙って早めのピットインを選択した。チームの素早い交換作業もあり、野尻選手はタイヤ交換を済ませたグループの中で先頭をキープしたのはもちろんのこと、全体の上位集団に対してもギャップを削って後半スティントに入る。フレッシュタイヤでプッシュしたのも功を奏し、19周目にピットインした宮田選手を1コーナーで先行。さらに前を走っていた関口選手、フェネストラズ選手の2名もピット作業に入っている間に逆転し、ぐいぐいと順位を上げていった。

野尻選手の動きを見ていたのか、ペースを上げてマージンを維持していた平川選手は25周を終えるところでピットイン。ピットロードの出口ではわずかに野尻選手に先行した平川選手だったが、OTSを作動させた野尻選手が1コーナーで平川選手をとらえ、実質トップに躍り出た。野尻選手はベストラップをたたき出し、平川選手を引き離しにかかる。しかしピットイン直後の平川選手はタイヤに熱が入るとペースアップ。その差はみるみる縮まり、28周目には0.6秒に。

そして、最後までタイヤ交換を遅らせていた佐藤選手がピットに向かった30周目、平川選手がオーバーテイクボタンに手をかけ勝負に出る。ホームストレートで並びかけた平川選手に対し、わずかに遅れてOTSを作動させた野尻選手は、1コーナーではトップを死守。わずかにアウト側にはらんだすきを見逃さなかった平川選手はコカ・コーラコーナーで再び野尻選手に並ぶ。ホイールトゥホイールの戦いは野尻選手が制し、ここからテール・トゥ・ノーズの状態が続いた。

しばらくは平川選手の追撃をしのいだ野尻選手だったが、13コーナーでアウト側のスペースに平川選手に入られてしまう。そのままGRスープラコーナーまでの短い距離で一気にマシンをねじ込んできた平川選手が野尻選手をオーバーテイク。再びトップに返り咲くことに成功した。

その後、32周目に唯一の1分22秒台となるファステストラップを刻んだ平川選手がトップチェッカーを受け、シーズン初戦でうれしい勝利を飾った。平川選手は2020年開幕戦以来の勝利。2位の野尻選手に続いたのはフェネストラズ選手で、こちらも2年ぶりとなるうれしい表彰台獲得となった。

Driver’s Voice

平川 亮 選手 (carenex TEAM IMPUL)

【今回の成績 : 優勝】

昨年は最高位が2位で悔しいシーズンだったので、今シーズンは初戦から優勝できて良かったです。シーズンオフはなかなかクルマが決まらなかったのですが、今朝の走り出しでなんとなくまとまってきたように感じられて、そういう状態に持ってこられたのがよかったのだと思います。

この勢いで行けば明日も優勝できるチャンスはあると思いますが、ライバルたちも追いついてくると思うので、それ以上に引き離せるよう、しっかりと分析して第2戦も力を発揮したいです。

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