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【NLS(ニュルブルクリンク耐久シリーズ) 第8戦 / ドイツ・ニュルブルクリンク】
アンラッキーにも見舞われる中で上位陣と肩を並べる速さを見せたヴァルケンホルスト、クリスチャン・クログネス選手/ジェイク・デニス選手のコンビで6位完走を果たした!!
NLS Round 8
開催日 | 2022年10月21日-22日 |
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開催場所 | ニュルブルクリンク (ドイツ) |
天候 | 曇り |
路面 | ドライ |
決勝時間 | 4時間 (1周=25,378m) |
2022年のNLS(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)も、今回を含めて残すところ2戦となった。全8戦のカレンダーは今回が第8戦となるが、4月9日に予定されていた第2戦が強い寒波の影響で11月に順延されて事実上の最終戦となっている。
ヨコハマタイヤを装着して戦っているヴァルケンホルスト・モータースポーツからは、今回も2台のBMW・M4 GT3が参戦。ゼッケン34をつけるマシンは前戦の公式予選でクラッシュを喫して大きなダメージを負ってしまったことから、今回は新しいシャシーのマシンが用意されて引き続きSP9 Proクラスへの参戦となる。一方で36号車は、前回に続いてSP9 Pro-Amクラスにエントリーする。
34号車は開幕戦から一貫してステアリングを握っているクリスチャン・クログネス選手と、ジェイク・デニス選手がコンビを組んでのエントリー。デニス選手は1995年生まれのイギリス人で、BMW M WORKS DRIVERSの一人だ。2021年に加入し、FIAフォーミュラEでは去る7月に行われたロンドン戦でポール・トゥ・ウィンを飾っている実力派。デニス選手にとってM4 GT3は今回が初のドライブとなるが、自身のSNSなどを通じて参戦実現の喜びと抱負を語っていた。
前戦は変化の大きなコンディションに翻弄されたNLSだが、今回も21日(金)はウェットコンディションに祟られた。そして一夜明けた22日(土)も朝方はその影響が残ってしまい、8時30分から90分間で行われた公式予選で34号車は総合20位/クラス11位に甘んじる結果に。限られた時間の中で仕立てられたマシンゆえセッティングを詰めきれておらず、マシンのバランスには難しい部分があったことが否めないようであった。
今回も4時間で競われる決勝レースは、12時にスタートを迎えた。気温/路面温度は14℃/15℃と雨模様だった前戦よりは若干高かったものの、コース沿いの木々は二週間前よりもさらに色づいて秋の深まりを感じさせる。スタートドライバーをつとめたのはクログネス選手だが、オープニングラップを終えてマシンはストレートを通過することなくピットへと戻ってきた。
この予定外のピットストップは僅かな時間でコースへ復帰となったが、タイヤに落ち葉が付着したことによるフィーリングの悪化が要因であった。秋の深まりが思いがけない影響を与えることとなったが、コースへ戻ってからは順調にラップを重ねていく。ところが7周目、振動の発生をクログネス選手はピットへと無線で伝えてきた。そして翌周、なんと左フロントのホイールがセンター部を残してスポークの破断から脱落、34号車は三輪の状態という絶体絶命のピンチを迎えてしまう。
この状況にクログネス選手は冷静な対応を見せ、マシンはピットへと戻ることが叶った。手早く作業を済ませて戦列へと復帰、先行するライバルとの差は広がってしまうも同一周回の中でここからクログネス選手が怒濤の追走劇を繰り広げてくれた。
全長約25kmのニュルブルクリンクは5つのセクターにわかれてタイムが計測されているが、時にセクターのクラストップタイムを叩き出す速さを見せて周回を重ねていくクログネス選手。レースが折り返しを迎えた13周目のタイミングで順位はクラス9番手、しかし先行車との差をどんどん詰めて行き3分ほどの差が15周終了時点には2分ほどへと縮まった。
16周を終えてレースが残り90分となったところでピットイン、ここからはデニス選手がチェッカーまで担当する。デニス選手は21周目に7番手、23周目には6番手へとポジションをアップ、残り18分でのピットインからも連続スティントをこなしてフィニッシュまでマシンをしっかり運んだ。序盤の残念なタイムロスはあったものの、レースラップとしては上位車両に引けを取らない速さを披露、6位フィニッシュで次戦での飛躍を期待させる結果となった。
36号車はヨルグ・ミューラー選手がスタートを担当、序盤でこちらもアクシデントから予定外のピットストップを20分ほど強いられたが、コースへと復帰した後は持ち味の力走を披露。アンダース・ブッチャート選手/デニス・フェッツァー選手とリレーしてフィニッシュまで運び、こちらはクラス優勝を飾ることに成功した。