【SUPER GT 第4戦 / 富士スピードウェイ】

WedsSport ADVAN GR Supraが3戦連続でポールポジション、決勝ではリアライズコーポレーションADVAN Zが躍進を見せて初の表彰台を獲得!!

SUPER GT Round 4

開催日 2022年8月6日-7日
開催場所 富士スピードウェイ
(静岡県)
天候 決勝:晴れ、公式予選:曇り
路面 決勝:ドライ、公式予選:ドライ
決勝距離 99周
(1周=4,563m)
参加台数 41台
(ヨコハマタイヤ装着車 16台)

今シーズン最も長い2ヶ月ものインターバルを経て、SUPER GTの第4戦が富士スピードウェイで開催された。この間に徹底的にオーバーホールされたり、テストが重ねられたりしたことで、マシンはそれぞれ鍛え上げられていた。その証拠が予選タイムの拮抗ぶり、そして決勝では随所で激しいバトルが繰り広げられていたことだ。絶えず進化を重ねるレースの醍醐味が、存分に感じられもした。

当初の予報では、予選の行われる土曜日は雨に見舞われるか、外れたとしても猛烈な暑さとの戦いとなると思われたが、実際の天気は曇りで、気温は21度、路面温度は28度と、拍子抜けするかのようなコンディションで予選は争われた。

GT300クラスのヨコハマタイヤユーザーは、Q1をA組から4台、B組からは2台が突破。共にトップこそ明け渡したものの、A組では「グッドスマイル初音ミクAMG」の片岡龍也選手が、そしてB組では「Arnage MC86」が肉薄する2番手にそれぞれつけていた。また、A組ではギリギリ8番手だったものの、「リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R」のJ.P.デ・オリベイラ選手がポイントリーダーとして、99kgもサクセスウエイトを積んでなお突破した。

続くQ2では期待に応え、「グッドスマイル初音ミクAMG」の谷口信輝選手が3番手を獲得。そして、小林崇志選手からバトンを託された、「UPGARAGE NSX GT3」のルーキー太田格之進選手が5番手に。そして「リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R」の藤波清斗選手も10番手につけて再び周囲を驚嘆させた。また、「Arnage MC86」も末廣武士選手のアタックで12番手となった。

GT500クラスでは「WedsSport ADVAN GR Supra」の国本雄資選手が3番手、そして「リアライズコーポレーションADVAN Z」の佐々木大樹選手が6番手につけ、ともにQ1突破を果たしたが、さらなる驚きがQ2で待ち構えていた。「WedsSport ADVAN GR Supra」の阪口晴南選手がトップタイムを叩き出して、3戦連続のポールポジションを獲得。そればかりか「リアライズコーポレーションADVAN Z」の平手晃平選手も2番手につけて、ヨコハマタイヤユーザーが第2戦の、やはり富士以来となるフロントローの独占に成功した。

決勝レースは100周、450kmの長丁場で競われ、途中2回の給油だけが義務づけられた。その直前のスタート進行において、天候には予想外の変化があった。マシンがグリッドに並べられる直前に、それまでどんよりとしていた空から大粒の雨が降り出し、瞬く間に路面を濡らしたのだ。各チームともグリッドにウェットタイヤを持ち込むも、結局交換されることはなかった。というのも、雨はすぐにやんだばかりか、久々に行われた警察のパレードランが行われる頃には、なんと青空まで広がるようになっていたからだ。

そのため、気温は27度、路面温度はこの週末で初めて31度と、30度を突破。また、いったん路面が濡らされたことで急きょエキストラフォーメイションラップが1周追加され、レースは1周減の99周で争われることとなった。そして1コーナーへのホールショットを決めたのは、ポールシッターで「WedsSport ADVAN GR Supra」を駆る国本選手で、2番手は平手選手。ヨコハマタイヤ勢のワン・ツー・フォーメーションが築かれたものの、どうにも国本選手のペースが今ひとつ。2周目に平手選手にかわされたばかりか、その後は徐々に順位を落としてしまう。

対して平手選手は好調。トップを守り続け、最初のピットストップを37周目に行い、代わった佐々木選手もトップをキープする。一方、「WedsSport ADVAN GR Supra」は3周前に8番手で阪口選手と交代していた。なおもトップを走り続けた「リアライズコーポレーションADVAN Z」には、72周目から再び平手選手が乗り込み、手堅くタイヤも4本交換したが、2番手と3番手を走行していた車両が、それを確認した上でドライバー交代を行わずタイムロスを減らしてきた。

その間に「リアライズコーポレーションADVAN Z」は3番手に後退してしまうも、平手選手はそのポジションをキープし、現体制で初めて表彰台に上がることとなった。そして厳しい展開を強いられた「WedsSport ADVAN GR Supra」ながら、後半にはペースを取り戻し、阪口選手がダブルスティントも担当。9位でゴールした。

GT300クラスではポールからスタートを切り、トップを快走していた車両が、トラブルでわずか18周でリタイア。代わってトップに立ったのが、「グッドスマイル初音ミクAMG」の片岡選手だった。26周目に谷口選手と交代した後、いったん順位を落とすも、全車最初のピットストップを終えると、45周目にはトップに返り咲く。そのギリギリまでピットを遅らせ、トップを走っていたのが「Arnage MC86」の阪口選手。マザーシャシーならではの好燃費をうまく活かした格好だ。

谷口選手は後続を大きく引き離して、61周目に再び片岡選手にバトンタッチ。今度は2番手でコースに戻るも、その時もトップを走っていたのは「Arnage MC86」の末廣選手。75周目に加納政樹選手に交代した後は、「グッドスマイル初音ミクAMG」がまたトップに立つと思われた。しかしその後、「グッドスマイル初音ミクAMG」に予期せぬトラブルが発生して緊急ピットイン。それもピットへ戻るまでに2分半ほど要してしまい、勝負権を失ってしまった。

その結果、ヨコハマタイヤユーザーの最上位として、「UPGARAGE NSX GT3」の太田選手が3番手に浮上。小林選手がスタートを担当し、3番手まで上がるもクールスーツのトラブルで、予定を早めて28周目に太田選手に代わり、65周目からのダブルスティントも成功させて、そのポジションにつけていたのだ。「UPGARAGE NSX GT3」は、開幕戦以来となる表彰台を獲得。

そして、またまた驚くべきは6位で「リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R」がゴールしていたこと。99kgのサクセスウェイトをものともせず、最終ラップに一台をかわしてもいた。もちろん、この結果によりランキングトップをキープする。抜かれたのは「Arnage MC86」ながら、これが嬉しい初入賞。7位という結果に、ドライバー3人とも胸を張っていた。

Drivers’ Voices

佐々木大樹 選手 (リアライズコーポレーションADVAN Z)

【今回の成績 : GT500クラス 3位】

今日のレースは序盤から猛プッシュした平手選手がトップでバトンを渡してくれて、自分としては久しぶりのトップ走行となったので、すごく緊張しました。平手選手も速かったし、車も調子良い、タイヤも調子良いということで、僕も自信を持ってセカンドスティントを担当しました。最後にちょっと逆転されてしまいましたが、本当に自分たちにとっては開幕戦からどんどん成長して、良いレースを出来たと思っています。悔しさの反省を活かして、次のレースは自信もあるので優勝を目指して頑張りたいと思います。

平手晃平 選手 (リアライズコーポレーションADVAN Z)

【今回の成績 : GT500クラス 3位】

スタートとサードスティントを担当しました。ヨコハマ勢のワン・ツーでスタートして、早い段階で19号車をパスすることができたので、そこからは自分のペースで走って、タイヤのマネージメントと後ろとのギャップを見ながら交代する37ラップまでトップをキープできました。たぶん、これが大樹にもすごくいい自信につながったと思います。最後に逆転されて3位でしたが、ヨコハマタイヤさんがパフォーマンスの高いタイヤを作ってくれたおかげもあって、ここに来るまでしっかりとプロセスを踏んできたことで、ようやく結果に結びついたんだと思います。まだまだこれで終わりじゃなくて、僕らは次の鈴鹿もSUGOも得意なので、そこでさらなる結果を出したいと思います。

国本雄資 選手 (WedsSport ADVAN GR Supra)

【今回の成績 : GT500クラス 9位】

僕のファーストスティントのペースが悪くて、そこで順位を落としてしまったのが、この結果だったかなと思います。原因はまだちょっと、調べないと分からないのですが、自分の思っていたようなバランスで走れなくて、かなり厳しいレースでした。最後のスティントとか、気温が落ちてきたらすごくいいペースだったので、良かったところと悪かったところが両極端に出たレースでした。予選がすごく良かっただけにポジションを守って、いいレースをしたかったのですが、それがかなわなくて、非常に悔しいです。

阪口晴南 選手 (WedsSport ADVAN GR Supra)

【今回の成績 : GT500クラス 9位】

決勝レースはいろいろ起きてしまって、かなり悔しい結果になりました。チーム全員で解決すべきことだと思うので、一個一個つぶしていって、いいものにしたいと思います。僕が担当した2スティント目、3スティント目はペースの良い時期もあったし、逆に伸びきれない瞬間もあって、けっこういろいろあったので、常に速く走れるように改善していく必要があるように思いました。逆に予選のペース、予選のタイムはめちゃめちゃ調子がいいので、そこを少し抑えてでも決勝ペースを意識した開発、テストを続けて、次戦につなげたいと思います。

小林崇志 選手 (UPGARAGE NSX GT3)

【今回の成績 : GT300クラス 3位】

タイヤはすごく良かったです。僕らは柔らかめとハードのコンパウンドを半々で持ち込んでいましたが、予選で使ったり、練習で使ったりもするので、同一コンパウンドで決勝を3スティントというのは、ちょっと難しかったですね。スタートをソフトにしていたので、無交換というのは厳しかったのですが、その後ハードを使って、それでもコンスタントに走れました。最後の3スティント目は無交換で行こうかとも思いましたが、そこは思い留まって、堅実にポイントを獲りに行くために、もう一回ソフトに4本交換したんです。結果として判断は正しかったと思いますね。

太田格之進 選手 (UPGARAGE NSX GT3)

【今回の成績 : GT300クラス 3位】

ダブルスティントだったので70周ぐらい行ったんですけれど、正直なところけっこうしんどかったですね。タイヤは良かったですね、保ちも良かったですし。ペースを上げようと思ったら上げられたのですが、3位を守ろうと思って作戦を変えた感じです。いい意味で、こんな結果になるとは思っていませんでした。今回の富士もサクセスウェイトを積んでいますから、しんどくなるなっていうのは正直ありました。その中でも確率半分で表彰台に乗ってきて、このままの調子でいけばチャンピオンも夢じゃないと思うので、引き続き頑張ります。

藤波清斗 選手 (リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R)

【今回の成績 : GT300クラス 6位】

本当にサクセスウェイト99kgはしんどかったですが、この富士でポイントを獲れて良かったです。少し差は詰まったようですが、ランキングのトップも守れました。いちばんきついレースだと思っていた富士を終えたので、残り4戦は淡々と、しっかり走ります。次の鈴鹿は、どうなるか分かりませんが、もうとにかく頑張ります!!

阪口良平 選手 (Arnage MC86)

【今回の成績 : GT300クラス 7位】

事前にプライベートテストを岡山国際サーキットで行ったら良いセットが見つかって、そのまま富士を走りました。タイヤにもとても良い状況でしたね。2種類のタイヤはどちらも良いパフォーマンスでしたが、タイムが出るであろうという方で行って全部使い切りました。最後まで安定して走れましたし、タイヤも1回交換だけで、ピットの時間もアウトラップのロスも最小限で行けました。みんなノーミスだし、トラブルもなかったし。マザーシャシーをチームも理解して戦闘力も高くなってきたし、タイヤのパフォーマンスも発揮できる車になってきたと思うので、すごくやりがいがありますね。

Engineer’s Voice

白石貴之 [横浜ゴム タイヤ製品開発本部 MST開発部 技術開発1グループ・リーダー]

今回特に「WedsSport ADVAN GR Supra」は、予選の一発の速さに関して、かなりうちのタイヤにマッチングさせたセットアップを、よく検討していただいているので、そういう部分では、そこはかなり安定感があると思っていました。さらに「リアライズコーポレーションADVAN Z」も2番手で、今年のコンパウンドや構造に合わせた、一発の速さという部分を出していただけて、非常にありがたいと思っています。

決勝では「リアライズコーポレーションADVAN Z」が若干順位を落としてしまいましたが、タイム自体ではトップ、2位に対しても遜色ないところだと思っていますし、課題もありますが、全体的な性能ではうちのタイヤのパフォーマンスを活かすセットアップを出していただけたので、その点ではかなり前向きに受け止めております。あとはその課題のところを、この先に向けて対策をしていきたいと思います。

「リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R」は、予選でギリギリでしたけどQ2まで進んでいただいて決勝でも6位で、相変わらずチームとしてのパフォーマンスの高さというところには、ありがたいと言うしかないと思っています。どのコースでも安定した速さを出せるということは、チームの総合力と、あとは比較的長い間、うちのタイヤのベースと構造をいろいろ取り組んで、少しでも良いところを引き出そうとしてくれているからだと思います。

また「UPGARAGE NSX GT3」が3位。今年は比較的安定してパフォーマンスを発揮してくれていて、早いうちにタイヤの構造と特徴をつかんでいただいて、安定した成績を出してくれているので、非常にありがたいですね。

鈴鹿では7月にテストをしていまして、その時は非常に高温だったので、まさに夏の本戦に向けたいいテストができたと思っています。その結果を今回も投入できたところもありますし、そういった意味では今回の結果は前向きにとらえられますから、次も期待できると思っています。

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スターティンググリッドのフロントローをヨコハマタイヤ勢が独占した第4戦

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SUPER GT 第4戦(富士) 決勝スタート

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GT500 | リアライズコーポレーション ADVAN Z

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GT500 | 平手晃平 選手

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GT500 | リアライズコーポレーション ADVAN Z

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GT500 | WedsSport ADVAN GR Supra

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GT500 | WedsSport ADVAN GR Supra

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GT300 | UPGARAGE NSX GT3

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GT300 | UPGARAGE NSX GT3

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GT300 | リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R

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GT300 | Arnage MC86

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GT300 | Bamboo Airways ランボルギーニ GT3

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GT300 | Weibo Primez ランボルギーニ GT3

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GT300 | グッドスマイル 初音ミク AMG

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ヨコハマタイヤサービス

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ヨコハマタイヤサービス

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