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【SUPER GT 第1戦 / 岡山国際サーキット】
リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rが優勝で王座奪還に向けて先制パンチ、UPGARAGE NSX GT3も2位でゴール、GT300クラスで1-2フィニッシュ!!
SUPER GT Round 1
開催日 | 2022年4月16日-17日 |
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開催場所 | 岡山国際サーキット (岡山県) |
天候 | 晴れ |
路面 | ドライ |
決勝距離 | 82周 (1周=3,703m) |
参加台数 | 42台 (ヨコハマタイヤ装着車 16台) |
今年も全8戦で争われるSUPER GT。その開幕戦が昨年に続いて、岡山国際サーキットで開催された。全車サクセスウエイトを積むことなく挑む一戦は、マシンやチームの真価が大いに試される。青空の下、言い訳無用の激戦が繰り広げられた。
GT300クラスの公式予選Q1で、A組から驚速タイムが叩き出される。「PACIFIC hololive NAC Ferrari」のケイ・コッツォリーノ選手が、レコードタイムを0.5秒上回ってみせたのだ。ヨコハマタイヤユーザーは8台がQ2へ進出を果たし、ユーザーの最上位は「UPGARAGE NSX GT3」の小林崇志選手と太田格之進選手で4番手を獲得。SUPER GTルーキーの太田選手が、Q2で冴えた走りを見せていた。そして5番手は、「リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R」の藤波清斗選手とJ.P.デ・オリベイラ選手が獲得。
「PACIFIC hololive NAC Ferrari」は6番手、公式テストで絶好調だった「Weibo PrimezランボルギーニGT3」の小暮卓史選手と元嶋佑弥選手が8番手につけ、さらなる決勝での上位進出を誓った。
GT500クラスでは「WedsSport ADVAN GR Supra」の阪口晴南選手が2番手で、そしてGT-RからZに改め、話題を集める「リアライズコーポレーションADVAN Z」も佐々木大樹選手が5番手で、難なくQ1突破を果たしていた。Q2では長らく「WedsSport ADVAN GR Supra」の国本雄資選手がトップに立つも、四輪脱輪のペナルティによるタイム抹消などもあり、残念ながら8番手に後退。一方の「リアライズコーポレーションADVAN Z」は平手晃平選手が5番手につけ、2台ともに悪くないポジションから決勝に臨むため、揃っての入賞が期待された。
土曜日に吹いていた冷たい風もおさまり、よりコンディションに恵まれた決勝レースにおいて、いきなり見せ場を作ったのが、「リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R」の藤波選手だった。スタートダッシュ鋭く、いきなり3番手に上がったばかりか、一向にペースの衰えはなく、17周目には2番手に、そして23周目には待望のトップに躍り出る。
一方、この流れに「UPGARAGE NSX GT3」の小林選手も続いていた。まずはポジションキープの4番手からレースを開始し、トップグループを有視界におさめたまま周回を重ね、21周目には3番手にジャンプアップ。ミニマムの周回でドライバー交代を行うライバルもいる中、この2台はルーティンのタイミングでピットイン。32周目には「UPGARAGE NSX GT3」が太田選手に、そして37周目には「リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R」がJ.P.選手にバトンタッチ。
全車がドライバー交代を済ますと、藤波選手と太田選手がトップ、2番手につけていたばかりか、「PACIFIC hololive NAC Ferrari」のコッツオリーノ選手も3番手に浮上していた。その理由のひとつは、高まった温度とヨコハマのタイヤが、ライバル以上にマッチしていたからに他ならない。しっかり藤波選手からマージンを渡されたJ.P.選手は、ペースをコントロールしてなお、後続を引き離す展開に持ち込み、昨年の開幕戦以来となる優勝を飾り、王座奪還への狼煙を上げることとなった。
そして2位は「UPGARAGE NSX GT3」が獲得。SUPER GTルーキーの太田選手が、安定した走りを見せつけ。コッツォリーノ選手のプレッシャーを見事跳ね除けることに。逆に、その「PACIFIC hololive NAC Ferrari」にはトラブルが発生し、ラスト7周で4番手に後退したが、高い可能性を強くアピールすることとなった。
GT500クラスでは「リアライズコーポレーションADVAN Z」の佐々木選手が5番手から、そして「WedsSport ADVAN GR Supra」の国本選手は8番手から、それぞれポジションキープからレースを開始するも、思うようにペースが上がらぬ苦しい展開を強いられる。
国本選手から阪口選手への交代を30周目、佐々木選手から平手選手への交代を33周目と、ともに早めに行って打開をはかるも、効果的に機能せず。そればかりか、「リアライズコーポレーションADVAN Z」は終盤にGT300車両の追突を受ける不運も……。なんとかレース続行を許されるも、14位に留まり、そして「WedsSport ADVAN GR Supra」も13位という結果に。富士スピードウェイでの第2戦には、サクセスウエイトを積まずに済むことを好機ととらえ、大逆襲の期待もかかる。
Drivers’ Voices
藤波清斗 選手 (リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R)
【今回の成績 : GT300クラス 優勝】
予選は5番手でしたが、僕らは2年間ずっと予選より決勝に強さがあるので表彰台のチャンスはあると思っていましたが、まさか勝てるとは思っていませんでした。本当にチームがいい車を作ってくれて、ヨコハマさんがいいタイヤを作ってくれたので、とにかく行けるだけ行こうと必死に走りました。こうやって結果を出せて、トップに立ててバトンタッチできて、J.P.選手を楽にしてあげられてよかったです。実はこの暑さ、想定外でとても不安でしたが、タイヤはまったく問題なかったです。
J.P.デ・オリベイラ 選手 (リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R)
【今回の成績 : GT300クラス 優勝】
藤波選手が頑張ってくれました!! 5~6秒のリードを作ってくれたから。スティントを半々にすることができたし、前半のスティントでいろいろタイヤの情報や路面の情報をもらえたので、後半スティントのタイヤを選ぶのにも役立ったし、本当に良いレースだったと思う。優勝できて、すごく嬉しい。セカンドスティントのタイヤチョイスはすごく良くて、昨年からタイヤはすごく改善されて、とっても良い状態でした。
小林崇志 選手 (UPGARAGE NSX GT3)
【今回の成績 : GT300クラス 準優勝】
いいレースでしたね。でも、優勝したかったというのが本当のところで。とはいえ、表彰台に乗りたいという目標で来たので、2位というのは上出来です。タイヤは予選重視の柔らかいのを使っていたので、僕のファーストスティントは少ししんどかったのですが、セカンドスティントに硬めのタイヤを使ったら、ドンピシャではまってくれたので良かったです。
太田格之進 選手 (UPGARAGE NSX GT3)
【今回の成績 : GT300クラス 準優勝】
いいタイヤでした!! タレることなく、最後まで安定して走れました。なかなか凄いんじゃないですか、デビュー戦で2位、表彰台っていうのは。後ろから迫るフェラーリのプレッシャーがきつかったのですが、なんとか抑えることができました。来週、やはりヨコハマタイヤを使う、SUPER FORMULA LIGHTSがあるので、この勢いでそっちも勝ちたいな、と思っています。
Engineer’s Voice
白石貴之 [横浜ゴム タイヤ製品開発本部 MST開発部 技術開発1グループ]
毎年、開幕戦の岡山は低温になることが多く、その状況で作動に苦戦することもありました。今年はシーズンオフのテストで対策に取り組み、ここ岡山での公式テストも踏まえたものを持ってきました。公式予選ではゴムと発熱がかなりマッチしましたし、決勝でのGT300クラスのワン・ツー・フィニッシュにはかなり満足しています。
対してGT500クラスの「リアライズコーポレーションADVAN Z」は決勝ではちょっと残念なところもありましたが、例年苦戦している開幕戦で競争力が上がった部分は確認出来ました。「WedsSport ADVAN GR Supra」は、よりクルマに合わせたタイヤのチューニングが必要かと思っています。
次の富士は気温も上がると思いますし、450kmという長距離レースになります。いろいろと戦略をチームで練っているでしょうし、「WedsSport ADVAN GR Supra」に関しては去年ポールポジションを獲れたという実績もありますから、また今年に向けて進化させたタイヤを持ち込んでいきます。
「リアライズコーポレーションADVAN Z」は、GT-RからZにマシンが変わったわけですが、タイヤとしての去年から続けている方針は変わっていません。車的には我々のタイヤを活かしやすい方向になったかなというのが、今回の岡山でも確認できましたので、我々にとってはより、やりやすい方向になっているかと思っています。